▼先日、クルマを運転中のこと。前方に競技用自転車を発見。片側1車線の道路。追い越しには中央線をまたがなければならず、対向車が通過するまで自転車の速度に合わせるなると、交通の円滑が阻害される状況だ。▼で、競技用自転車乗りは体を左右に大きく揺らしながら必死にペダルをこいでいる。クルマの速度計に目を落とすとメーターの針は「40」に届こうとしている。この道路の最高速度規制(制限速度)時速40キロを目指し爆走しているようだ。▼制限速度に達すれば交通の流れに乗るとでも思っているのであろうか。それとも、法定速度で走れば「遅い」を理由に自動車ドライバーに迷惑をかけることもなければ文句を言われる筋合いはないとでも考えているのか。▼「ふざけるな!」と言いたい。最高速度規制はこれ以上スピードを出してはいけないというものだ。時速40キロとなると、人力の自転車にあっては文字通り最高速度に達するわけで、限界に近い状態となり危険極まりない。速度規制を履き違えるな。
時速40キロ余のスピードで爆走する競技用自転車
▼先日、アイドルグループAKB48のファンという、若手ジャーナリストK君から悲痛な内容のメールが届いた。浦野一美という元AKBメンバーが競技用自転車で坂道を走行中、転倒事故を起こし救急車で運ばれたとのことだ。K君から事故原因について、交通安全ジャーナリストとしての見解を求められ、匿名を条件に回答することにした。▼で、当該アイドルのブログに「走行中に、ブレーキが、後輪だけかかってしまい、後輪が逆ウイリーのように、宙を一回転し、先に転倒していた私の頭上に落っこちてきました」(原文まま、一部抜すい)とある。難解かつ不可解な内容の文章である。坂道で走行中というが、上り坂なのか下り坂なのか定かではないが、後ブレーキをかけて後輪が浮く(逆ウイリー?)ことがあるのか。▼万有引力の法則を持ち出すもでなく、坂道で後輪が浮くというのは、下り坂で前ブレーキをかけた場合に限られようから、当人の弁は転倒時に頭の打ちどころが悪かったことが影響しているのであろうか。いずれにせよ、問題は前・後のブレーキを同時にかけなかった操作ミスであり、ドロップハンドル車特有のブレーキと変速を同一レバーで操作する「STIデュアルコントロールレバー」が起因していると疑われる。▼ご案内のとおり、「STIレバー」というのは内側に倒すとギア変速、手前に引くとブレーキがかかるシステムだ。考えてみてほしい、止まるための「ブレーキ操作」とスピードを出すための「変速操作」という相反する行為を、一つのレバーで行うのは危険極まりない。運転操作の誤りを誘発しかねないのだ。「STIレバー」は全面禁止すべきだ。
悪名高いとされるSTIレバー
▼「車道を走る自転車」と「路上駐車の車両」。クルマを運転中に直面したとき、ドライバーの心理状態にどう影響を及ぼすのか。ドライブレコーダー(車載カメラ)の記録映像を用い、ドライバー目線から交通安全をアプローチしたい。▼動画をみよ。中央車線のない道幅の狭い道路。交互通行であるがセダン型の乗用車であれば速度を落とすことなく、すれ違うことができる。で、自転車が視界に。このまま追い越せば60センチ超、中央寄りに「膨らむ」ため対向車の通行の妨げとなる。対向車が通過するまで待つことに。▼一方、歩道に目をやると、別の自転車がスムーズに走行している。段差で車道より高い位置にあり、後続のクルマに追突される危険性もない。鉄の塊(かたまり)が至近距離を通過するという恐怖を味わうこともない。車道を走る自転車の安全を考えるとイラっとする。▼動画を進めると、今度は路上駐車の車両が進路をふさいでいる。先ほどの自転車の時と同じように、対抗車が途切れるまで待つことに。後続車が続いていたことで渋滞が懸念され、「邪魔だ!」との怒号が飛び交いそうな状況だ。交通の円滑を妨げることは絶対にやめてほしい。
▼近年、本国において自転車の赤信号無視が目立つ。確信犯的な左折・赤信号無視について、当ブログでも糾弾したところだ。今般、信号無視の決定的場面を一部始終記録した動画を入手したので、交通安全を啓発するねらいから公開に踏み切った。▼動画を観よ。片側複数車線の大きな交差点だ。まずは「変速的」な信号機に注目してもらいたい。通常、横断歩道にある歩行者自転車専用の信号は車道の信号より早く赤になるが、ここでは同時に変わっている。▼誤解されているが、歩道はもちろん車道を走る自転車も横断歩道にある専用信号に従うことになる。車道の信号が赤でも専用信号が青であれば交差点に進入できるのだ。が、動画の競技用自転車乗りは専用信号が完全に赤に変わってから進入しており、弁解の余地はない。▼しかも高速スピードで進入しており、横断歩道に歩行者がいて衝突でもすれば、あたり一面は血の海となることは想像に難くない。競技用自転車乗りの行為が自転車乗り全体の評価を落としていることは遺憾だ。決められたルールはしっかり守り信頼回復に努めてもらいたい。