▼東京都は自転車規制を強化すべく条例案(※)を策定した。従業員の自転車通勤を認める企業に駐輪場確保を求めるなど、放置自転車対策に本腰を入れることは評価できる。都心のオフィス街は、自宅から会社まで自転車で通勤する輩(やから)の放置車両によって、路上の秩序が乱されているからだ。▼自転車通勤者の自転車は、標準的な労働時間を考えると1日8時間超、放置されていることになる。都心の一等地を長時間、私物によって占拠されることは、経済的損失もさることながら、道義上許されない。クルマの駐車では考えらないことであり、極めて悪質であり見過ごすわけにいかない。▼放置自転車の撤去は、東京都の悲願である2020年夏季五輪誘致にも欠かせない。というのも、電動アシスト車のバッテリーを発火装置として爆弾を仕掛けるなど、自転車がテロの道具として使われることが懸念されるからだ。テロの危険性はIOC(国際五輪委員会)メンバーの心証を害するでないか。▼そこで「折り畳み式自転車」を義務化してみてはどうか。フレームを曲げるとタイヤの直径ほどの大きさとなり、片手で持ち運ぶことが可能な自転車だ。目的地に着いたら自転車を折り畳み、常に持ち歩いて移動するよう強制するのだ。放置自転車対策ばかりか駐輪場の整備も不要となり、国益に資する。法制化をまちたい。※自転車の安全で適正な利用を促進するための条例
折り畳み式自転車を義務付け放置自転車対策を
プロ野球選手は、2月のキャンプインに向け自主トレーニングを開始しています。とある新聞には、プロ25年目で2000本安打を狙う、中日ドラゴンズの谷繁捕手の練習の様子を紹介していました。内容は80メートルダッシュを約1時間を繰り返したり、黙々とランニングをこなしているとのことです。で、肝腎な練習場所ですが、もちろんグラウンドです。一般道で練習するわけがありません。というのも、ドラゴンズの本拠地・名古屋には国道302号線(通称、サンマルニ)という直線区間が長い外環道路が整備されています。格好の場所だからといってダッシュの練習をしていたら、世間から非難を受けるのは火を見るより明らかでしょう。自転車とて同じです。競技用自転車でダッシュや「タイムアタック」なる爆走練習を日常的に行なうことなど許されるはずがありません。自転車を左右に大きく揺らしながら走行する、ダッシュ特有の「ダンシング 」走行に起因する接触や転倒事故に巻き込まれるのは、ドライバーからすれば御免です。何が起こるかわからないのが事故のおそろしさです。危険行為をしながら「自分は大丈夫」「誰にも迷惑をかけていない」という身勝手な言い訳は許されません。そもそも道路は競技用自転車の練習場所ではありません。スポーツの練習は専用施設でお願いします。
競技用自転車乗りのいさかいは惨事を招く(画像と本文は関係ありません)
▼2013年、競技用自転車乗りの暴走で幕が開けた。クルマを運転中のこと。信号待ちをしていたら、対抗車線から競技用自転車乗りが停止中の車の間をすり抜けて現れた。まさかと思った次の瞬間、なんとセンターラインをはみだし赤信号の交差点に進入し右折するでないか。▼赤信号の交差点を逆走という前代未聞の出来事に背筋が凍った。ここまでくると、交通ルールを知らないというより、前が見えていないのでないか。そう、視力に問題があるのだ。それで信号やセンターラインを見落としたのでないか。▼なるほど、クルマや原付バイクと違い、自転車に乗るときに視力は要求されていない。これはおかしな話だ。車道を走るなら、交通標識や規制に注意を払いながら運転することが不可欠であり、走行しながら標識類を確認するにはそれなりの視力(動体視力)が必要だ。▼特に、原付バイクの法定速度を上回るスピードで爆走する、競技用自転車乗りによる標識類の見落としは、何の関係もない一般ドライバーを巻き込んだ重大事故へとつながりかねない。原付バイクと同じように、両目視力0・5以上(強制視力含む)を運転資格の要件とし、交通ルールを徹底させるべきだ。
競技用自転車乗りの欲望がうずまく不安定なニッポン