2011年12月29日木曜日

「自転車は路肩」は縄ばしごで鍛えよ

▼車道は自動車で供給過剰状態だ。自転車が通行する余裕はないほどだ。そもそも車道は自動車の走行を想定して設計されており、特に幹線道路においては、大型車のすぐ脇を走行が不安定になりがちな自転車が通行することに国民は不安を抱いている。

▼自転車が交通の阻害なく走行できるスペースは路肩しか残されていない。路肩の幅は自転車のサイズに適していることからも理想でないか。が、小石が落ちていたりでこぼこであったり、必ずしも円滑に走行できる状態ではない。運転技能が求められる。

▼小学生の自転車教室を思い出せ。「 縄ばしご」を使った訓練がある。10メートルほどの縄ばしごを地面に置き、その上を自転車で通行するものだ。スピードを調整してはしごの段差を乗り越え、悪い道路状況でもバランス良く安全に走行できるよう技能を高めるものだ。

▼この縄ばしごは、路肩とほぼ同じ幅であり、路肩走行に最適な訓練でないか。 コツをつかんだ小学生は路肩を安全に走行できるであろう。自転車というのは危険な乗り物だ。 路肩は狭いだの排水溝のふたが危険だのと文句を垂れる前に、小学生を見習って縄ばしごで鍛えよ。


コメントはこちら

not so bad
交通の円滑に不可欠な競技用自転車の路肩走行

2011年12月21日水曜日

自転車は路肩を走れ

▼写真を見よ(①)。競技用自転車を追い越すワンボックスカー。交差点の直前で黄色車線をはみ出しており、非常に危険な行為だ。が、ワンボックスカーを非難できない。自転車の速度に合わせて走行することによる渋滞を回避するための措置であろうからだ。

▼で、ワンボックスカーが必要以上に自転車と間隔を空けているのはなぜか?フロント部分が長いスポーツカーに顕著であるが、運転席からだと対象物が実際より近くに見えるため、大きく間隔を空けないと追突しそうな錯覚に陥るからだ。

▼自転車が白線(車道外側線)の外側(路肩)を走行していれば、白線を目印に走行することで自転車との接触の危険性を恐れることなく安心して運転できる。速度を落とすことなく円滑に追い越すことが可能だ。

▼もっとも道交法でいう「自転車の左端通行」(18条)というのは路肩のことでないか。路肩はちょうど自転車が通行するのに適した幅だ。路肩を走ればクルマと速度差のある自転車でも交通阻害とならないでないか。自転車の路肩走行を徹底すべきだ。

コメントはこちら






①ガラガラの歩道を避ける競技用自転車乗り



アスファルト道路は路肩をコンクリートで舗装し
区分けしている場合も

2011年12月14日水曜日

ドロップハンドルはそのまま使うな

▼先日、車を運転中、見慣れない形をしたハンドルの自転車に遭遇した。極細タイヤの競技用自転車のようであるが、きつい前傾姿勢とはなっていない。

▼追い抜きざまにこの自転車に目をやると羊の角のような巻きハンドル。わかった。先端(バーエンドキャップ)が進行方向に向くよう、ドロップハンドルを180度傾けて取り付けているのだ。ブレーキレバーを親指でひっかけ、残る4本指でハンドルを握っていた。

▼ この自転車乗りがハンドルを傾けたは理由は「ギャグ」ではないはずだ。両腕で上半身を支えるドロップハンドルは、車線変更時など手による合図で片手運転と なるとバランスを崩すため対応したとみるのが自然だ。背筋を伸ばして運転できることで周囲の様子がよく見え、後方から接近する車の存在に気づくと首を軽く 横に振って意思表示をしていた。

▼先端(バーエンドキャップ)を正面に向けたドロップハンドルでひらめくものがある。前方用ウインカー (方向指示器)に最適な取り付け位置でないか。わたしたちは、スピードース用途のドロップハンドルは禁止の立場であるが、発想の転換により一般公道に適し た使用が可能であると、新たに提言したい。


コメントはこちら

※当ブログでは記事内容に基づくトラブル等については一切責任を負いません。

2011年12月9日金曜日

世捨人語 「競技用自転車はトラックを抜き返すな」

先日、ラジオで「街中を走る自転車」について取り上げていました。番組名はTBSラジオの「鈴木おさむ 考えるラジオ」(土曜日、午後7時~午後8時55分)です。

車の中で聴いていた人が多かったのか、紹介された意見は運送業の方が多かったです。「自転車にもライセンス制度を」「ナンバープレート設置を」などなど、主にスピードが出るスポーツタイプの(競技用)自転車への対策を求める声が強かったです。

ま た、リスナーと電話での対話も行われトラックドライバーを名乗る男性が登場しました。司会が車道を走る自転車について質問したところ、「(身体がむき出し で走行が不安定になりがちな)自転車を追い越すときはとても神経を使う」とし、邪魔・迷惑な存在と言わんばかりの口調でした。

トラックドライバーの主張は続きます。「信号待ちで抜き返されることが多いのですが、スピードで絶対に勝てるわけないので、一度追い抜かれたら抜き返さないでほしい」と切実に訴えていました。

トラック目線の貴重な意見を聞くことができるなど、とても満足できる内容の番組でした。同時に自
転車とトラックが同じ走行車線を走るのは狂気の沙汰であると改めて実感しました。


コメントはこちら


車道を走る競技用自転車に神経を
すり減らすトラック運転手

(写真と本文は関係ありません)

2011年12月7日水曜日

道交法で想定する自転車はこれだ

▼1970年(昭和45年)から40年余、自転車が歩道を走っても何ら問題ではなかった。ところがどっこい、ここ最近になって歩道を走る自転車がやり玉に挙がっている。原因は、成人男性の自転車利用が増えたことは、既に報じた()。次に考えられるのは、道路交通法で想定していた自転車が絶滅の危機にさらされているからでないか。

▼写真を見よ。20インチタイヤの自転車。これが、道交法で予定していた自転車でないか。前後にかごを装着。両足がしっかりと地面に着くサドル高。防寒のみならず、接触・転倒時にはプロテクターの役目を果たす握り手部分を覆うカバー。日本が誇る典型的なママチャリだ。





▼ペダル1回転で進む距離は短いなど、このママチャリで出せる最高速度はせいぜい時速15キロであろう。歩道では歩行者と共存できる安全な速度で走行が可能で、自転車固有の制限速度設定を論じる必要性もなく現在にいたる。

▼ 残念なことに、この20インチタイヤのママチャリは希少な存在となった。タイヤは大きくなり、また、電動アシスト車が普及するなど、スピード重視の自転車 が主流となった。歩道走行にも影響が出ており、現行の道交法で対応できない危険な状態となっている。自転車に制限速度を設けるのが時代の要請だ。早急に法 改正せよ。

コメントはこちら



成人男性の自転車利用は控えよ

2011年12月1日木曜日

世捨人語 「死傷事故の大半は自転車の無謀運転」

日経新聞の夕刊の連載「自転車 共存への難路」が目を引きます。この企画は、「安全で快適な環境を整える条件を考える」というものです。

11 月30日の記事は興味深いものでした。「死傷事故 大半が交通違反」という見出しで、自転車事故を分析しています。それによると、2010年に自転車が関 連した交通事故は1万1626件でうち死亡事故は658件とし、「(自転車事故で)死傷した人の3分の2に何らかの法令の違反があった」と厳しく非難して います。

また、自転車事故の特徴的な事例として「交差点での事故」を挙げています。財団法人・交通事故分析センターの調査・分析によると、交差点を曲がる際、交差点の手前で十分に減速していないことが事故の原因としています。

このほか、「信号のある交差点の事故のうち、信号無視の自転車は34%」「一時停止標識を無視していた割合は8割」など、自転車乗りがルールを守っていない実態を浮き彫りにしています。

同センターでは「車と衝突する事故では自転車は交通弱者と呼ばれるが、自転車の無謀な運転が事故の原因になっている」と容赦ありません。

注目すべきは、自転車事故で死亡する率が突出しているのは後方から車がぶつかる「追突事故」だそうです。「ドライバーの自転車の発見が遅れ」が要因で主に夜間に発生しているようです。

記事では触れられていませんが、合図もせずにブレーキや減速、進路変更する自転車にも非があるでしょう。当ブログで繰り返し提唱しておりますが、夜間の追突事故防止のため、ブレーキランプ・ウインカーの設置を自転車に義務づけるべきです。


コメントはこちら



※日経新聞の連載は3回目(11月30日現在)で、11月24日 11月25日 11月30日の夕刊社会面に掲載しています。