▼4人掛けのボックス席に座ると前方に、ヘルメットとリュックを通路側の座席の上に置いて占拠する、若い2人組の男が見える。さきほどの競技用自転車の持ち主であろう。乗降の妨げとなるドア前に自転車を置きながら、己は座席で悠々自適にくつろいでいるとはいただけない。
▼彼らは「輪行」(りんこう)をしているのだ。前輪(もしくは両輪)を取り外した自転車を専用カバーに入れ列車で運び遠方に出かけるのだ。旅先では好奇心から浮ついた気分となる。それで競技用自転車で爆走を繰り広げるとなれば、正常な運転ができず危険極まりない。
▼そもそも輪行というのは過疎地の住民が行うものだ。列車を乗り継がなければスーパーや病院がない片田舎において、輪行は生活に不可欠であり納得できる。競技用自転車乗りのレジャー目的の輪行は、他の乗客に迷惑を及ぼしかねず到底理解できない。厳に慎め。
車内を占拠する競技用自転車。持ち主は奥
のボックス席に座り大はしゃぎ
自転車をそのまま乗せ専用スペースで
立ったままの高齢者(島根県・一畑電鉄)
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